研究生活において教員が学生に与える影響は極めて大きいです。
院進学/研究室選択の際には、学びたい分野だけでなく、どんな教員の下で学ぶかも考慮すべきポイントです。
良い指導者の下で研究できれば、充実した研究生活を送れます。
ここでは、良い指導者の特徴と見極めるポイントを紹介します。
目次
学生自身に考えさせる
研究生活では実験スキル以外にも論理的思考力が必要です。
答えが無いからこそ
- 上手くいかない原因
- 具体的な改善策
を論理的に考えないと研究は進みません。
そして、自分で意識しないと論理的思考力は鍛えられません。
指示するのは簡単ですが、それでは学生の成長に繋がらず、研究本来の楽しさを味わうことは不可能です。
行き詰った時に最善の選択肢を提示する
研究結果に関しては運の要素もあるので、上手くいかない時はとことん上手くいきません。
しかし、限られた期間内で一定の成果が必要なので、すぐに次の手を打てる状態が望まれます。
そのため、行き詰った時に経験豊富な教員のアドバイスほどありがたいものはありません。
期待通りの結果にならなくても、学生にとって新たな引き出しを増やすことが出来ます。
相手のレベルに合わせて指導する
学部生と院生では卒業に求められるレベルが全然違います。
それに応じて指導方法も変わります。
[学部生の場合]
- 短期的な実験計画を立てられる
- 安全かつ的確に実験できる
- 実験データを正しく評価できる
- 論文を理解できる
[院生の場合]
- 長期的な実験計画を立てられる
- 複数の実験を並行して実施できる
- 初学者を指導できる
- 国内外で研究発表できる
- 学術論文を執筆できる
上記のように院生に求められるレベルは高く、結果が求められます。
基本的に条件を満たさなければ卒業は認められません。
そのため、院生や院進学する学部生に対し、研究を発展させるために厳しい指導になる可能性があります。
常に懐疑的な見方をする/批判的
どんな結果になっても「本当にそうなのか?」と疑うことが重要です。
特に期待通りの結果が出た時ほど油断は禁物です!!
過信したり、結果を都合良く解釈すると、大きなタイムロスに繋がります。
- 再現性を取る
- 他の条件で検討
- 他の評価方法で検討
批判的な考え方が研究をより発展させます。
専門家である教員が客観的に見て、どこに疑問を抱くのかは学生にとってかなり貴重です。
意味のある批判は有益ですね
見極めるポイント
良い教員と悪い教員の決定的な違いは教育熱心かどうかです。
残念ながら学生を実験の作業員くらいにしか考えていない教員もいます。
上記で紹介した特徴は研究室に所属しないと分からない点が多いので、研究生活以外での見極めるポイントを紹介します。
講義の質が高い
大学の講義は担当教員によって質が全然違います。
- 考えさせる問題が多い
- 文献/論文を紹介
- 学習意欲を掻き立てる
週一回の講義だけでは足りないので、自己学習を促すような講義が望ましいです。
試験でも考えさせる問題が多いので、毎年一定数の学生が単位を落とします。
所属学生に質問する
実際に教員の下で研究生活を送っている学生さんに尋ねるのが確実です。
- 教員の人柄
- どういう指導方針か
- 学生を必要以上に管理するか
- 就活にある程度理解があるか
- 頻繁にコミュニケーションを取るか
一人ではなく必ず複数人に質問しましょう。
教員に関しては学内で噂があると思いますが、鵜呑みにせず、自分で確かめてください。
研究報告会を見学させてもらう
教員の指導方法は報告会を見学することで判断できます。
- 上手くいってない学生さんへの対応
- 人格ではなく実験の批判になっているか
研究室見学の際に教員にお願いすれば、よほどのことが無い限り断られないと思います。
抜き打ちで確認したい場合は、所属学生に報告会の日時と場所を聞いて、教室の外でこっそり見学しましょう。
最後に
良い教員の特徴と見極めるポイントを紹介しました。
- 学生自身に考えさせる
- 選択肢を提示する
- 相手に必要な指導をする
- 良い意味で批判的である
自分で学ぶことはもちろん大切ですが、自分を鍛えてくれる環境は本当にありがたいです。
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