大学院進学を視野に入れている学生さんにとって、自分が研究に向いているかどうかはとても重要なポイントです。
大学院は研究をする所であり、学部生の頃よりも研究の進展が卒業に深く関わるため、常にプレッシャーや不安を感じている院生は決して少なくないでしょう。
向いていないと感じていても卒業するためにその状況を我慢せざるを得ないのが現実ですし、進学を後悔している院生もいます。
人間誰しも向き不向きはありますが、自分に向かないことを続けなければいけないのは辛いと思います。
ここでは、大学院進学を視野に入れている学生さんが進学を後悔しないために、研究に向かない人の特徴を紹介します。
目次
答えのない問題に対して抵抗がある
勉強は既知のことを学び、理解することが目的ですが、研究は未知の領域での新発見が目的なので、答えのある勉強と答えのない研究では取り組み方が異なります。
そのため、成績の優秀な学生さんだから研究にも向いているわけではありません。
研究に関してはやってみないと分からないことが多いですし、基本的に上手くいかないことの連続なので、試行錯誤が欠かせません。
「答えを見つける方法を考えて、その方法を試し、失敗する度に改善する」のが研究のプロセスであり、そう簡単にいかないのも研究です。
試行錯誤を重ねたから必ずしも上手くいくわけではないので、なかなか研究が進展しない状況は珍しくありません。
私自身もその経験がありますし、当時はかなり精神的に堪えました。
限られた期間内で進捗を求められるので、精神的に参ってしまうぐらい自分を追い詰めてしまう学生さんもいます。
この研究のプロセスに抵抗がある人は研究に向かないタイプですし、自分自身が辛くなってしまうと思うので、院進学は避けた方がいいかもしれません。
疑問に思わない
毎日失敗を重ね続ける研究生活において、上手くいかなかった要因、それに対しての対応策を考えなければ研究は進みません。
- 何故この結果になったのか
- 本当にそう考えられるだろうか
疑問に思うことが大切で、その疑問に対して、実験をすることでデータを集め、自分なりの考えをまとめるのが研究です。
得られた結果や情報をそのまま鵜呑みにしたり、思考停止してしまう人は研究には向きません。
気持ちの切り替えが遅い
研究が停滞している期間が長ければ長いほど、失敗した時のショックは大きいですし、ずっとこのままなのではないかと不安になることもあります。
しかし、上手くいっていない時にどれだけ時間と労力を研究に注げるかが今後の進展に大きく影響するので、気持ちの切り替えが大切です。
おそらく気持ちの切り替えの早さが向き不向きの決定的な違いだと思います。
ただ、上手くいっていない状況を前向きに捉えることではありません。
- 別ルートを模索する
- 他の実験条件・方法を検討する
結果に追われていると、つい視野が狭くなってしまい、今行っている方法でデータを出すことに拘ってしまいます。
しかし、今直面している実験に固執していると本来の研究目的とズレてしまう場合があります。
実験は研究を進めるための手段の 1 つに過ぎないので、上手くいかない時は別のアプローチを考えることが大切です。
向かなくても卒業はできるし、本人次第で成長できる
修士号を取得するために必要なのは「実験をする、データを集める、論文を書く」の 3 点です。
研究に向いているかどうかは問われていません。
それに研究の向き不向き関係無く、研究生活は大変ですし、向いているから必ずしも研究が順調に捗るわけでもありません。
ただ間違いなく言えることは向いていなくても自分次第で成長できる環境は整っています。
例えば、論理的思考力がめちゃめちゃ鍛えられます。
研究活動では自分がすることは全て論理的に説明することが求められます。
- 何故この実験方法・条件なのか
- 何故この結果になったと考えられるか
- 何が具体的な改善策として挙げられるか
論理的に考え、行動することは研究以外でもかなり役立つはずです。
さらに、研究生活では多くのプレゼンの機会があるので、プレゼンスキルも鍛えられます。
研究の向き不向きや成果の有無は卒業要件に含まれていないので、大学院という環境を自分自身の成長のために利用して下さい。
最後に
大学院への進学が決まってから本格的に研究生活を経験する方が多いと思います。
ただ、経験する前に進学を決めてしまうため、後になって進学を後悔する方が多いのではないでしょうか ?
少なくとも私はそうでした。笑
しかし、向いていなくてもやるべきことをやっていれば卒業は出来ますし、自分自身も成長できるので、大学院へ進学して損はありません。
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