学部 4 年生で初めて過ごした研究生活は配属前の大学生活とはかけ離れたものだったと思います。
- 毎日実験
- 夜遅くまで大学にいる
- 学術論文を読む
- 報告会
- 卒論執筆
大変だったこともあると思いますが、 1 年間もその環境にいればこの生活にも慣れてくるのではないでしょうか。
そして、大学院へ進学する学生さんは最低でもあと 2 年間はこの生活を送ることになります。
約 3 年間研究活動をするため、学部生の頃とは違いある程度の研究実績が大学院生には求められます。
そのため、多くの大学院生が常にプレッシャーを感じながら研究生活を過ごしています。
ここでは、研究成果、進捗が無いことで大学院生が精神的に追い込まれる原因について紹介します。
目次
卒論と修論では要求されるレベルが違う
卒論は初学者が 1 年という短期間で完成させなければいけないので、成果が無くても結構大目に見てくれます。
そのため、卒業研究では研究の入り口となる基本的な部分を求められます。
- テーマを理解している
- 実験データを正しく取得、評価できる
一応論文なので新規性は必要ですが、卒論では研究目的に新規性があれば、新規実験の有無はあまり関係ありません。
短期目標に向けて実験計画を立て、安全に実験できていれば十分合格の範囲内です。
一方で修論の場合、 3 年間の長期的な研究活動になるので、当然要求されるレベルも高くなります。
- 国内学会発表経験がある (大学による)
- 独自性のある研究を主体的に行う
研究テーマの核となる実験データを取得するための実験及び検討が必須です。
博論のように研究テーマを完結する必要はありませんが、3 年間取り組んだ研究をある程度まとめなければいけません。
修論は「努力賞」と言われていますが、努力を証明するには実験データが必要不可欠です。
修論を書けるだけの実験データの有無が精神的余裕に大きく関わります。
学会発表が必須な大学もある
国内学会発表 (ポスター or 口頭) が最低限必要な大学もあります。
学会発表は研究の途中経過でも構わないので、そこまでの成果は求められていません。
しかし、学会の 2, 3 カ月程前に提出する「こんな内容の発表をしますよ」という要旨が参加者や聴衆に配布されるので、要旨に記載した内容に関する実験結果を発表当日までに出さなければいけません。
基本的に要旨は提出する前に指導教授にチェックしてもらうのですが、文章の添削に加えて追加実験を要求されることがあります。
えっ !! なんか増えてる !?
発表までに時間があるので、その期間内で何かしらのデータを取れれば全然問題ではありませんが、もしデータが取れなければ、ただでさえ忙しい生活がさらに忙しくなります。
他に発表材料があれば穴埋め可能ですが、それが無いと穴埋めすらできません。
実験だけでなくスライド作成や発表練習もあるので、学会前は肉体的・精神的に休まる日はほぼ皆無です。
就職活動にも影響してくる
M1 の 3 月頃から本格的に就職活動が始まります。
就活の時期と言っても実験第一優先の研究室が多いのが現実だと思います。
満足のいく就活をされている院生さんは圧倒的に少ないのではないでしょうか。
実験が就活に置き換わるわけでは無く、これまでの生活に就活が加わるだけです。
そして、学会や修論が徐々に迫っているので、これまで以上に進捗に対するプレッシャーを感じ始める頃だと思います。
教員からもプレッシャーを掛けられる学生さんは多いのではないでしょうか。
卒業と就職は自分の将来に関わることなので、不安に思いながら研究生活を送っていると思います。
まとめ
結果は運の要素も絡むので、研究成果が無いのは何一つ悪いことではありません。
「この条件だとこういう結果になる」というのも必要な実験データです。
上手くいかなかった実験データは今後研究を発展させるために欠かせません。
あまり根詰めずに、周囲とも相談しながら進めていきましょう !!
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