研究生活では自分以外の学生のプレゼン (報告会、文献紹介) を聞く機会が多くあります。
プレゼンには必ず質問時間があり、学生さん達の活発な議論を指導教員は期待してますが、
- 質問する人としない人に分かれる
- 全然質問が出ない
- 寝ている人がいる
状況は珍しくないと思います。
そのため、“学生全員が質問するまで終われない” ルールが存在する研究室もあります。
なかなか質問が思い浮かばなくて苦労する学生さんもいると思います。
私も配属したての頃は質問が思い浮かばなくて苦労していたので、自分のプレゼンじゃなくても報告会や文献紹介がある日は憂鬱でした。
ここでは、質問が思い浮かばない学生さんに心掛けて欲しい点を紹介します。
目次
あくまで勉強の場であり、鋭い指摘はできなくていい
質問が思い浮かばない原因は 4 つあると思います。
- 知識量が足りない/理解できない
- 核心を突いた質問をしないといけないと思っている
- 何でも質問しにくい雰囲気が漂っている
- 発表者/資料に問題がある
ある程度知識がある前提でプレゼンが進められるので、「こんなこと聞いていいのかな ?」と気軽に質問できるような状況ではないですよね。
他の人が専門的な質問や鋭い指摘をすればするほど、どんどん質問しにくくなってしまうと思います。
しかし、あくまで勉強の場なので、鋭い質問をしないといけない場ではありません。
自分が理解できなかった点、疑問に感じた点は遠慮せずに積極的に質問しましょう。
そのための質問時間です。
分からないことがあるのは何も悪いことではありません。
質問の「質」よりも常に疑問に思うことが大切
「なんで質問しなくちゃいけないの ?」と疑問に思う方もいると思いますし、私自身もそう思っていた 1 人でした。
しかし、研究活動をしていく中で “常に疑問に思うことが大切” なんだと考えるようになりました。
研究は答えの無い課題に取り組むので、ひたすら失敗を積み重ねることになります。
そのため、得られたデータに対して疑問を抱くことが研究を進めるために欠かせません。
- 何でこういう結果になったのだろう
- この結果から何が考えられるだろう
- 何が改善策として挙げられるだろう
- この条件で実験したらどうなるだろ
こういう疑問の一つ一つが自分の研究を前進させます。
研究はこれまでやってきた勉強とは取り組み方が異なるので、戸惑うのは当たり前です。
そして研究だけに限らず、何かを進展させるために疑問に思うことは非常に大切です。
直接自分の研究に関わらないこともあると思いますが、疑問に思うトレーニングと捉えた方がいいかもしれません。
常に「何故 ?」と考えるよう意識すれば、自ずと質問は思い浮かびますし、質問の「質」も徐々に高まると思います。
他の人の質問を参考にする
ちょっと調べたら分かるような「これって何ですか ?」レベルの質問はなるべく避けたいですよね。
ただ、いくら考えても質問が思い浮かばないこともあると思います。
そういう時は他の人の質問を参考にしましょう。
研究経験や知識の豊富な先輩や教員がどこに疑問を抱くのかは非常に参考になると思います。
私の経験上、質問の「質」が高い人は研究においても優秀な人でしたし、他の人の視点を参考にすることで自分の研究の参考にもなります。
しかし、残念ながら重箱の隅をつつくような悪意のある質問をする人もいるので、それは参考にしないように気を付けて下さい。
「良い」質問とは相手の考えを引き出すこと
自分の考えを述べつつ、相手の考えを引き出す質問が良い質問だと思います。
「私はこの部分についてこう考えたんですけど、あなたはそれについてどう考えますか ?」
研究の進展に繋がる可能性があるので、別の視点からの意見はとても貴重です。
私自身が研究を進められたのもそういった質問/指摘を沢山頂いたおかげだと思っています。
質問は討論ではないので、相手の考えを論破しようとするのは質問として望ましくありません。
最後に
なかなか質問が思い浮かばなくて苦労する学生さんも沢山いると思いますが、問う力はこれから研究活動を続けていく上で非常に大切な要素です。
自分の無知を晒すみたいで質問するのが恥ずかしいという認識を持っている方もいると思いますが、質問に慣れることで恥ずかしいという意識は徐々に無くなります。
まずは、良い質問をすることよりも、質問に対する苦手意識を払拭するために積極的に質問しましょう。
関連記事
カワラボ
最新記事 by カワラボ (全て見る)
- 大学院進学は避けた方がいい ? 研究に向かない人の特徴 - 2021年4月5日
- 研究室の教授と合わない学生が関係を悪化させないために意識すべき点 - 2021年2月12日
- 修論発表会の不安や緊張との向き合い方 - 2021年1月29日
コメント