研究生活を通じて、「自分は研究に向いていないかもしれない」と感じることはあると思います。
- 全然進捗が無い
- 教員や先輩に言われた
- 知識不足を痛感した
- 周囲のディスカッションについていけない
ただ、向いていないこと自体が悩みの種ではないと思います。
卒論や修論は努力が評価の対象になるとはいえ、その努力はデータや進捗で示すので、
「向いていないのが原因で、研究が進まずに卒業出来ないんじゃないか」
という不安な気持ちがあるからではないでしょうか ?
向いていないから辞めるという選択は簡単には出来ないと思うので、ここでは、研究に向いていないと悩む学生さんに心掛けて欲しい点を紹介します。
目次
向き不向きは考え方や取り組み方の問題
研究結果に関しては自分でコントロールできないので、結果の有無は研究の向き不向きとは関係ありません。
結果に繋げるための考え方や取り組み方が重要です。
- 何故、このような結果になったと考えられるか
- 何が具体的な改善策として挙げられるか
- 試行錯誤し続ける
研究はやってみないと分からない点が多いので、上手くいかなかった実験データも全く無駄ではありません。
上記の 3 点は決して難しいことでは無いと思いますし、この考え方や取り組み方が身に付いていれば、「研究に向いていない」とは思いません。
答えがある勉強とは考え方や取り組み方が違うので、初めのうちは慣れないかもしれませんが、日頃から意識することで必ず身に付くと思います。
批判や指摘された点は改善すればいいだけ
報告会などのディスカッションの場で自分の知識不足や考えの浅さを痛感することもあると思います。
教員や先輩方に指摘されて、「こんな自分は今後やっていけるのだろうか」と不安な気持ちになりますよね。
しかし、批判・指摘された点は徐々に改善していけばいいので深刻に思い悩む必要はありませんし、改善の余地があると捉えてください。
「こいつには何を言ってもダメだ」と思われたら本当に何も言われません。
さらに、知識に関してはネット検索、専門書や論文を見れば補えるので、必要に応じて勉強すれば大丈夫です。
また、研究生活は研究を進展させるために考えざるを得ない環境なので、もちろん努力は欠かせませんが、経験を積めば自然と考える癖は身に付きます。
自分の知識不足や考えの浅さを自覚しても、徐々に改善していけばいいので、過度な心配は無用です。
自分を卑下する必要は一切無い
上手くいかないことが多い研究生活では落ち込むこともしばしばあると思います。
- 実験は上手くいかない
- 報告会では厳しく詰め寄られる
- 結果を出しているメンバーと比較してしまう
ただ、研究が進まないのは周りより劣っているからではなく、答えの無い課題に取り組むのが難しくて大変だからです。
自分を卑下する必要は一切ありませんし、現状は上手くいっていなくても、自分が気付いていないだけで出来るようになったことは沢山ありますよね。
例えば、研究開始当初よりも今の方が確実にプレゼンや資料の質は向上していると思います。
完全に自信を失わないために自分の成長を実感することは、上手くいっていない時ほど大切です。
“研究の成功 = 人生の成功” ではない
研究だけが全てではありません。
真剣に取り組む姿勢は素晴らしいと思いますが、自分を苦しめてまでやる必要はありません。
大学 (院) を出てからの人生の方が遥かに長いですし、研究なんかよりその後の人生の方がずっと大事です。
向いていない、合わない状況をただ我慢するしかないのは結構辛いので、先を見据えることを強くお勧めします。
- 就職活動を始める
- 中退も見据えて、中退者向けの就職支援サービスを調べる
- スキルを身に付けるために勉強する
自分自身の選択の幅を広げるためにできることから少しずつ始めましょう。
最後に
研究に向いていないと感じていても卒業するために研究は避けられません。
上手くいかないことが多すぎて自信を失いかけている学生さんもいると思います。
しかし、答えの無い課題に取り組み続けた、試行錯誤し続けた経験は必ず自分の強みになりますし、研究室は問題解決力や論理的思考力を鍛えるにはもってこいの環境だと思います。
肩書きや就職のためだけの大卒、院卒ではなく、自分にとって大きな強みを身に付けるために研究生活を過ごしてもらいたいと思います。
関連記事
カワラボ
最新記事 by カワラボ (全て見る)
- 大学院進学は避けた方がいい ? 研究に向かない人の特徴 - 2021年4月5日
- 研究室の教授と合わない学生が関係を悪化させないために意識すべき点 - 2021年2月12日
- 修論発表会の不安や緊張との向き合い方 - 2021年1月29日
コメント