研究室から逃げ出したいと思っている学生さんは少なくないと思います。
「研究室」の関連ワードに「辛い」「行きたくない」といった表現が表示されるように、多くの方が研究生活に悩みを抱えているようです。
私もそのうちの 1 人でしたし、当時はたまらなくしんどかったことを今でもよく覚えています。
休学や中退なんて簡単に選べないので、今の状況を耐えるしかないと深刻に考え込んでしまう方もいると思います。
ここでは、研究生活が辛くて逃げたいと感じた時に考えて欲しい点を紹介します。
目次
必要以上に自分を責めない
研究生活は体力的・精神的に追い込まれることが多い環境だと思います。
さらに、研究結果や人間関係のような自分ではコントロールできない問題の悩みも多いのではないでしょうか。
- 毎日遅くまで実験
- 休日/睡眠時間が少ない
- 満足に就活できない
- 進捗・成果を出さないといけないプレッシャー
- 全然研究が進展しない
- 指導教員がかなり厳しい
- 研究室のメンバーと合わない
研究生活を始めた頃は何とも感じていなかった問題がどんどん積み重なり、徐々に辛くなってきたのだと思います。
私も最初の頃は研究が上手くいかなかったり、指導教員に厳しい言葉をかけられても、すぐに立ち直れましたが、積み重なっていく内に辛いと感じるようになりました。
当時は自分の精神的な弱さが原因だと考えていましたが、こういう環境に居れば、辛いと感じるのは普通のことなのではないかと後になって気付きました。
そのため、上手くいかなくても必要以上に自分を責めないようにしましょう。
こういう環境に居て辛いと感じない人の方が少ないと思います。
成長に繋がらない我慢はしなくていい
学生さんにとって最も大切なことは研究活動を通じて成長することです。
答えの無い課題に取り組む経験は滅多にありません。
とても大変で辛いこともありますが、その過程で論理的思考力や問題解決力といった力を鍛えることが出来ます。
自分では成長していないと感じる方がいるかもしれませんが、自覚していないだけで研究を始める前より出来るようになったことってあるはずです。
例えば、今の自分の方が数段良い資料を作成できると思います。
- 実験計画を立て、安全かつ的確に実験を行える
- 論文を理解できる
- 実験データを正確に評価できる
- 自分の考えを論理的に説明できる
口で言うのは簡単ですが、こういう力は実際に経験し、自分で考えないと絶対に身に付きません。
大したことないと思うかもしれませんが、決して簡単なことではありません。
そのため、自分の成長に繋がることであれば、努力は必要だと思います。
しかし、自分にとって何のプラスにもならないような我慢は余計にストレスを抱えるだけです。
- 教員・先輩の暴言に耐える
- 睡眠時間を削る
- 行き詰った研究を一人で抱え込む
そのため、研究に関する悩みは他のメンバーあるいは指導教員に相談し、人間関係に関する悩みは学内の相談室を利用するというように、積極的に周囲の人を頼りましょう。
ストレスを感じやすい環境だからこそ、自分自身のために不必要な我慢をしないように心掛けましょう。
大事なのは自分が成長して無事に卒業することです。
一時的に逃げてもいい
卒業に必要なのは「実験する、データを集める、論文を書く」の 3 点で、研究の向き不向きや毎日研究室に行くことは問われていません。
自分の健康よりも大切な研究はないので、辛い時は休んでも構わないと思います。
真面目な方ほど根詰めてしまうと思いますが、程よく息抜きしたり、たまにはサボるのも悪いことではありません。
卒業さえできてしまえば「大卒」あるいは「院卒」という事実に変わりないですし、どういう研究生活を送っていたかどうかなんて同じ研究室の人以外は知りません。
研究室に所属する学生が全員研究熱心とは限りませんし、私の周りにも結構いい加減な先輩やよくサボる同期・後輩がいましたが、全員何とか卒業できました。
研究が全てではないので、無事に卒業するために一時的に逃げるのも選択肢の 1 つです。
後ろめたいことがなければ、堂々と開き直る
研究生活における一番の悩みは研究の進捗だと思います。
失敗を重ね続ける上に限られた期間である程度の成果や進捗が求められるので、相当なプレッシャーを感じている方が多いのではないでしょうか。
上手くいかない日々が続くと精神的にかなり堪えると思います。
さらに追い打ちをかけるように、仕方ないかもしれませんが、報告会では教員から厳しく詰められることもありますよね。
こういった自分ではコントロールできない悩みを抱えながら過ごす日々は辛いですよね。
しかし自分でコントロールできないからこそ、後ろめたいことをしていないのであれば、堂々と開き直ってほしいと思います。
研究が進まないのは未知の課題に挑戦し、結果を出すのが難しいからです。
多少考え方や進め方に違いはあると思いますが、研究に向いている人が取り組んで解決するような課題ならとっくの昔に解決しています。
私自身も最終的に開き直れたから、過度なストレスを抱えずに研究生活を送れたと思っています。
自分の中でやれることをやったのであれば、堂々と開き直りましょう。
失敗は改善すればいいだけですし、明確な目的かつ適切な実験条件であれば、無駄なデータではありません。
最後に
研究の成功が必ずしも人生の成功ではないので、辛かったら一時的に逃げるのは構わないと思います。
研究室を去ってからの人生の方が圧倒的に長いので、充電しつつ自分自身と向き合う期間に出来たらいいんじゃないかと思います。
研究生活を通じて学べることも多くありますが、自分の健康を犠牲にするほどの価値は無いので、程よく息抜きしながら、少しだけ頑張りましょう。
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