どう指導すればいい?研究室の後輩への指導で心掛けて欲しい点

研究生活
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大学院生になると後輩を指導する立場になります。

後輩に対してどう指導すればいいのか困っている方もいるのではないでしょうか。

私も初めて自分の下に後輩が付くと決まった時は、どう指導すればいいのか悩みました。

実験技術の指導だけなら別に大したことはありませんが、研究への取り組み方も指導しないといけません。

自主的に取り組まないと研究は進まないですし、短期間で論文を書けるだけの実験データが求められます。

そのため、自分で考えて実験できるようにならないと後輩自身が苦労します。

必ずしも研究に意欲的な学生とは限りませんし、「指示待ち」「やる気がない」タイプの学生もいるので、後輩の指導に苦労する先輩方は決して少なくないと思います。

ここでは、研究室の後輩への指導で心掛けて欲しい点を紹介します。

目次

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気軽に相談しやすい関係を築く

研究生活を始めたての学生さんにとって、先輩や教員は気軽に相談できるような相手ではありません。

そして、研究室という慣れない環境でとても不安に感じていると思います。

そのため、まず安心して研究に取り組める環境、雰囲気をつくることが大切です。

無理に仲良くする必要はないですが、先輩から優しく声を掛けてあげましょう。

「分からない点があったらいつでも声掛けてね」と一言添えておくといいかもしれません。

私自身も先輩方が気さくに声を掛けてくれたから安心して研究に取り組めましたし、自分の後輩にも積極的に声を掛けるように心掛けていました。

指導する側としても後輩の進捗はちゃんと把握しておきたいので、気軽に相談しやすい関係を築きましょう。

自分の研究を最優先に取り組めるように話し合う時間を決める

自分に余裕がないと人の面倒は見れないですよね。

大学院生ともなると学会発表のような実績が求められますし、学部生の頃よりも進捗へのプレッシャーを感じることは多いと思います。

自分の研究が上手くいっていないと人の面倒どころではありません

そのため、自分の研究を最優先に取り組める状況が望ましいです。

ただ、完全に放置するわけにはいかないので、1 日の間に必ず話し合う時間を設けた方がいいと思います。

  • 研究室に着いたら今日行う実験を確認する 
  • 自分の実験の合間に様子を見に行く
  • 帰り際に今日の結果と明日行う実験を確認する

私が所属していた研究室では上記のような決まりがあり、毎週金曜日の夜に指導教員に報告することになっていました。

話し合う時間を確保することで自分の実験だけに集中できますし、後輩としてもちゃんと相談できる時間があった方が安心すると思います。

徐々に自分で考えて実験できるように誘導する

先輩にも自分の研究があるので、出来るだけ早く後輩には自立してもらいたいですよね。

指示待ちになってしまうのはお互いにとって何のメリットもありません。

そのため、自分で考える癖や自信を付けてもらう必要があります。

ちょっとした課題を出す

実験操作や自分が培った経験は丁寧に教えた方がいいですが、それ以外は徐々に自分で考えさせた方が本人のためになります。

研究生活に馴染んできたら、先輩の方から質問するようにしましょう。

  • どういう実験方法を採用するのか
  • 何故その実験条件なのか
  • 得られたデータはどう評価するのか
  • 次はどうするか

何でも教えてくれる人が傍にいると自分で考えなくなります

カワラボ
カワラボ
私自身も指示待ちタイプになりかけた時期がありました。笑

時間が掛かるようだったら徐々にヒントを出したり、専門書、論文や研究室に保管されている資料を紹介してあげて下さい。

結果よりも成長に目を向ける

先輩からの指示が無いと何もできない状況は避けなければいけません。

そのために、まずは後輩自身に「やっていけるぞ !!」という自信を付けてもらいたいです。

成功体験を積むことは自信を付ける方法の 1 つですが、自分の成長を自覚することでも自信は付きます

  • 実験データを正確に評価できる
  • 自分で実験計画を立て、安全に遂行できる
  • プレゼン/報告会の資料の質が高くなっている

こういった点は自分では気付いていないことが多いので、先輩から指摘してあげてもいいかもしれません。

「以前は出来ていなかったのに、今の自分には出来る」ことを自覚すれば、自信は付いてきますし、研究へのモチベーションにも繋がると思います。

ちゃんと指導できるように勉強する

先輩だからといって何でも知っているわけではありませんよね。

自分が理解していないと人には教えられません。

「あの人に質問してもなぁ…」と思われたら先輩の意味がありませんし、せっかく頼ってくれたのに「分からない」となるのは申し訳ないですよね。

人に教える立場として自分の研究でなくても勉強はしましょう。

教員も大学院生にはそれを期待してますし、自分の研究にも役に立つかもしれません。

やる気のない学生は早急に対処する

たまにしか来ないタイプの学生も残念ながらいると思います。

カワラボ
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他人が関わる問題は自分一人ではどうにもできません

怒ったり、放置したくなる気持ちは理解できますが、「先輩の指導方法が悪い/怖いから研究室に行きたくない」と責任転嫁されかねません。

さらに、卒論提出が迫っていると、そんな奴のためにお手伝いを教員から指示される可能性も否めません。

こういう事態を避けるために早急に対処することが重要です。

  • 「ここの卒業生の卒論を見た限り、さすがにここまで進めないと卒論は認められないと思うよ」と優しく忠告する
  • こちらの働きかけに反応が無ければ、指導教員へ相談する

卒業に関わる問題は指導教員の仕事なので、さっさと教員に相談するのが一番楽だと思います。

私が所属していた研究室にもたまにしか来ないタイプがいましたが、彼らは基本的に助教が面倒を見ることになっていました。

最後に

後輩の指導って正直面倒だなぁと感じる方もいると思います。

カワラボ
カワラボ
私も最初はそう感じていました。笑

ただ自分がこれまで研究に取り組んできたからといって、上手に教えられるとは限りません。

説明するときに言葉に詰まったり、自分の知識不足を感じることもあると思います。

どう説明すれば相手に理解できるかを考えたり、勉強することによって自分の成長にも繋がります。

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カワラボ

過去に研究室生活がしんどくて逃げた経験がありますが、なんだかんだで無事に修了することができました! このサイトでは辛い研究生活の乗り越えるためのアドバイスを中心に紹介したいと思います。

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