B4 の学生さんが初めて教授陣の前で研究発表するのが卒論中間発表会です。
研究を始めて間もないので、発表できるデータが少ない学生さんがほとんどでしょうし、そのことに焦りや不安を感じている方もいると思います。
- 質問に上手く答えられる自信がない
- 就活専念でほとんど実験していない
- 正直自分の研究テーマをあまり理解していない
発表の出来次第で卒業に影響することはありませんが、中間発表は「ただ発表さえすればいい」というものではありません。
発表の 3, 4 カ月後には卒論提出の大学が多いと思うので、数か月後に迫っている卒論執筆を見据えて発表に臨まないと後で自分の首を絞めることになります。
B4 当時の私は「発表さえ終わればいいや」と先のことは何も考えていなかったので、卒論提出ギリギリまで実験に追われることになりました。
“中間発表の段階で卒論に向けてちゃんと準備できているのか” という点が重要なんだと身をもって感じました。
ここでは、卒論中間発表会を無事に終えるために必ず意識して欲しい点を紹介します。
目次
中間発表は卒論執筆に向けて意見や指摘・批判を頂く場
中間発表会は教授陣から様々な意見や指摘・批判を頂き、卒論に向けて研究の方針などを見直すことが 1 番の目的です。
現段階の成果よりもこのままの方針で進めて大丈夫か評価してもらう場です。
もちろん進捗の報告があるに越したことはないですが、研究テーマの紹介やこれから卒論に向けてどういう方針で進めていこうと考えているのかが発表の中心になります。
- 研究背景 (先行研究の紹介)
- 研究目的
- 実験方法
- 目的に向けた途中経過
- 卒論に向けた今後の方針、どこまでやるのか
卒論をより良いものにするために中間発表があるので、もし何かご指摘を頂いたとしても卒論までに軌道修正すればいいだけですし、現段階で不備に気付けて良かったと捉えて下さい。
また、「教育実習」「就活」「大学院入試の受験勉強」といった事情であまり進捗が無くても、中間では割と大目に見てくれる教授もいます。
そのため、全然実験すらしていない状況以外は過度な心配は無用です。
中間の段階で進捗に関して厳しく言及されるケースは稀だと思いますし、そういう状況になったとしても本人次第で卒論執筆までに挽回可能です。
「私は卒論に向けてちゃんと考えてますよ」とアピールできれば特に問題無く発表が終わると思います。
自分の研究テーマを理解することが質問対策になる
前述のように卒論に向けて様々な意見を頂くのが中間発表ですし、この時期に質問するほどの実験データがある学生さんは少ないので、研究内容に関する質問が確実に来ます。
例えば、「○○に着目しているが、××が関与しているという考えは排除するのか ?」といった感じの質問です。
そのため、まずは自分の研究内容をちゃんと理解することを優先しましょう。
初めて過ごす研究生活では、目の前の実験やプレゼンの準備などで精一杯だと思います。
研究内容については「たぶん、こんな感じでしょ」程度のふわっとした認識の方が多いのではないでしょうか。
普段の研究生活において実験のことを考えることはあっても、研究内容について考えることはほとんどなかったと思います。
そのため中間発表を控えた時期を自分の研究内容と向き合うきっかけにしましょう。
以下に簡単な例を示します。
- 独自性はどこなのか
- 本研究で明らかにしたい点は何なのか
- 本研究によって当該分野にどんなメリットがあるのか
- 実験 (評価) 方法は何を採用するのか
- どういう結果になると考えられるのか
上記の点は今理解しておけば卒論冒頭 (背景 & 本研究) は既に完成したも同然ですし、研究内容に対して常に「何故なのか」と考えることが質問対策になります。
研究内容を理解することで十分な質問対策になりますし、卒論に向けて先を見据えることに繋がります。
卒論までに具体的にどういう実験を行えばよいのか把握する
中間発表後は卒論に向けた方針に沿って研究を進めていきますが、具体的に何をすればいいのか自分自身が把握していないと研究は進められません。
卒論提出はまだ 3, 4 月くらい先ですが、それより早い時期から卒論執筆に取り掛かることになります。
途中段階でも大丈夫な中間とは違い、行った研究をまとめるのが卒論なので、中途半端な進捗状況では卒論は完成しません。
そのため、これから自分が行う実験を詳細に把握し、中間発表後に滞りなく取り掛かれるように準備しておきたいです。
ただ、研究経験の浅い B4 の学生さんが自分 1 人で考えるのは非常に難しいと思います。
そのため、研究室内には先輩方や卒業生の論文や研究資料が保管されているので、閲覧してみて下さい。
- どういう目的でどんな実験を行っていたのか
- この実験をするためには何を準備すればいいのか
- 上手くいかなかった要因は何だと考えていたのか
- 改善策として何を挙げていたのか
研究室の規模にもよりますが、行える実験には限りがありますし、似たような研究も意外とあります。
自分の研究に役立つ情報があると思うので、是非参考にしましょう。
自分がすべきことが明確になるので、常に先手先手で行動できます。
研究テーマへの理解を深めるために研究室内で発表練習する
中間発表本番を迎える前に必ず研究室内で発表練習を行いますよね。
ただ、私もかつてそうでしたが、プレゼンが苦手な方ほど「まだ完璧な状態じゃないからやりたくない」と発表練習を避ける傾向があると思います。
また、教員の学生への指導方針にもよりますが、厳しい口調で苦言や指摘を頂くこともあるので、より苦手意識が強まった方もいるのではないでしょうか。
粗探しをされているように感じることもありますよね。
しかし、専門家である教員や知識や経験のある先輩方からの指摘によって、さらに研究への理解が深まります。
初学者である B4 の学生さんが研究への理解を深めるには教員や先輩からの意見が欠かせません。
そして、あくまで練習なので完璧を求める必要はありませんし、現段階で理解が足りていない箇所を認識することが大切です。
自分が理解できていない箇所を一つ一つ把握し、解消していきましょう。
研究テーマへの理解が曖昧な状態よりも、ちゃんと理解した状態の方が自信を持って本番に臨めると思います。
最後に
中間発表会はあくまで通過点ですが、卒論に向けた準備の有無が今後に大きく響いてきます。
「ただ発表さえ終わればいい」という姿勢ではなく、迫っている卒論執筆を見据えてしっかりと準備しましょう。
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