理系の学生生活は忙しいというイメージを持たれている方は多いと思います。
- 部活、サークルやバイトをしてる余裕がない
- 講義が難しい、課題が多い
- 夜遅くまで実験してる
私も実際の学生生活では「忙しいなぁ」と感じることは多かったですが、研究生活以外は想像していたほどではありませんでした。
誤解していたこともありましたが、間違いなく言えることは 人生の夏休みではない ということです。
ここでは、理系の学生生活について紹介します。
目次
留年に直結する科目で時間割が埋まる
4 年制大学の卒業に必要な単位数は 124 単位以上と法令で決まっています。
(卒業の要件)
第三十二条
卒業の要件は、大学に四年以上在学し、百二十四単位以上を修得することとする。引用: 大学設置基準 – 文部科学省
単位数に関しては文系も同じ条件ですが、理系は留年に直結する科目 (必修科目) が非常に多いです。
自分で時間割を決めるのが大学生活の特徴ですが、落としたら進級できない科目が多いため、時間割の大半が埋まります。
中でも実習・実験は別格で、
- 通常の講義 1 コマ ( 90 分) 1, 2 単位
- 実習・実験 3 コマ ( 3~5 限) 1, 2 単位
と 3 コマ分で 1, 2 単位しか取得できません。
さらに必修科目以外 (教養、選択科目) も卒業に必要なので、空き時間をその科目で埋めます。
4 年生では就活と研究生活があるため、実質 3 年間で卒業研究以外の単位を取得してる状態が望ましいです。
結果として、月~金曜日のほとんどが 1~5 限までありますが、2 年生までに 100 単位近く取得すれば 3 年生の間は少し余裕があります。
講義内容が難しい
専門的な内容なので非常に難しいですし、週一回の講義しかないのでかなりハイペースです。
基本的に成績はレポートではなく、テストの結果でのみ評価されます。
前述のように、大半が必修科目なので、落としても大丈夫な科目はありません。
興味の無い科目も勉強しなくてはいけないのはかなり苦痛です。
科目数が多く、テスト範囲も広いので、中間・期末テストの前はテスト勉強でかなり忙しくなります。
他の講義の課題や実験レポートと被ることもあるので、日頃から勉強 (主に復習) しておくことを強くお勧めします。
実験及び実験レポート提出が無い週はない
理系学生が最も苦しめられるのが 実験と実験レポート です。
実験は余程の理由が無い限り休めず、ちゃんと予習しないと実験を受けさせてもらえない場合もあります。
一度でも欠席や期限までにレポート未提出の場合は一発で単位を落とされます。
実験操作自体は難しくないのですが、かなり時間が掛かるため、失敗すると夜遅くまで残らなければいけません。
しかし、上手くいけば早く終われる日もあるので、実験だから必ず遅くまで残ることはありません。
また、レポートで重要視される考察が不十分で再提出になる学生さんは多いです。
考察を書く際に、
- 予想される結果と違う場合、その原因と改善点
- 結果から予想・推測される点
を専門書や論文を読んで論理的にまとめる必要があります。
これを毎週、他の講義や課題も同時にこなさなければいけないので、溜め込むと忙しいです。
徹夜を余儀なくされる学生さんも少なくありません。
教職課程は自滅行為!?
教員免許を取ろうかなぁと考える学生さんもいると思います。
教師になりたい方は是非頑張ってくださいとしか言えないですが、ついでに取ろうかなぁ程度に考えているならやめた方がいいです。
残念ながら教職科目は卒業の単位に含まれないので、さらに忙しくなるだけです。
私はそれを知り、履修するのを辞めました。笑
友人が履修していましたが、レポートや模擬授業の準備に追われていました。
ただ、しんどかったら辞めても卒業に影響はないので、履修してみるのもアリかもしれません。
研究生活はかなり大変
大学 4 年生になり本格的に研究生活が始まるとこれまで以上に忙しくなります。
- 文献/論文紹介
- 研究報告会
- 実験
- 中間・卒論発表
- 就活と両立
- 卒論執筆
卒論は出せば卒業できるとも言われていますが、卒論を書けるだけの実験データは必要です。
研究テーマの難易度にもよりますが、期待通りの結果が出ることはほとんど無いので、ひたすら試行錯誤を繰り返します。
結果として、毎日帰りは遅く、土曜日も実験してることは珍しくありません。
長期休暇は研究室の教授の意向で決まりますが、実験系はあまり期待しない方がいいと思います。
ただ、全ての研究室が大変というわけではありません。
シミュレーションといったパソコン上での計算がメインの研究室では、計算内容やパソコンの性能にもよりますが、実験系のように遅くなることはありません。
誤解されている点
理系は確かに忙しいですが、誤解されている点もあるように感じます。
部活、サークルやアルバイトは可能
勉強やレポート課題は大変ですが、その他の活動はできます。
ただ、あまり熱中しすぎて勉強が疎かになってしまい、留年する人もいます。
私は研究室に配属されるまでは週 3 日でアルバイトをしていました。
全く休みがないことはない
確かに忙しい時はめちゃくちゃ忙しいですが、全く休みがないことはないです。
毎日実験が徹夜だったり、夏休みがないと言われるのは研究生活の話であって、大学 4 年間全体の話ではありません。
理系だから就活に有利なんてことはない
理系は推薦があるから楽だと思われていますが決してそんなことはありません。
私は化学・生物系の学科出身ですが、「教授」「研究室」推薦というのは聞いたことがありません。
必ずしも教員が業界と繋がりがあるわけではありません。
そのため、ほとんどが自由応募になります。
化学・生物系の学生さんの多くが志望する研究職は募集人数が数人なので、かなりの狭き門です。
なかなか自分の専門やスキルを活かせる職業は多くありません。
ですが、確かに理系でも専門が直接役に立つ人は困らないと思います。
- SE ( システムエンジニア )
- 医療、薬学関係
- 建築関係
理系だから就活は有利なんてことはないので、何事もそうですが、早めに行動しておくことをお勧めします。
最後に
理系の学生生活は確かに忙しいですが、全く休みがないことはありません。
世間の言う大学は人生の夏休みではないですが、時間を上手く使って有意義な学生生活を送ってください。
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