多くの理系大学生が毎週実験レポートに追われていると思います。
その中でも「考察」が苦手な学生さんは多いのではないでしょうか。
「考察」に書く内容が無さ過ぎて、
- 感想文
- 反省文
- 結果を書いただけ
といった内容になり、再提出を要求される方もいると思います。
私自身も学生実験レポートの「考察」には毎回苦労しました。
当時はどういうことを書けばいいのかよく理解しておらず、中身のないことをダラダラと書いていました。笑
ただ、研究生活を経験したおかげで「考察」の重要性そして何を書くべきなのかを理解できたと思います。
ここでは、実験レポートの考察が苦手な学生が意識すべき点を紹介します。
目次
考察の重要性
学生実験の目的は実験技術の習得、知識や理論を実験を通して理解することです。
基本的に学生実験では正しく実験操作を行えば、似通った結果になるため、学生の考えの深さや広さが顕著に表れる「考察」が重要視されます。
そして 4 年生から始まる研究生活では、学生実験とは異なり、正しく操作をしても期待通りの結果が出るとは限りません。
上手くいかなかった結果から自身の考察を元に次に行う実験を決めるので、「考察」が研究の進捗・発展に大きく影響します。
卒業研究は約一年間しかないため、実験レポートのように来週までに考えておこうなどとのんびりしている余裕はありません。
そのため、学生実験では “考える癖“ を身に付けることを意識しましょう。
予習の段階で考察ネタは見つかる
実験はスキルより準備が実験の成功を左右すると言っても過言ではありません!!
予習も準備の一つですが、ちゃんと予習できている学生さんは少ないと思います。
- 実験目的、内容をノートに記載
- 操作手順をノートに記載
- 試薬の使用量を計算
- 実験結果の見方
- 予想される結果
上の三点は行う実験内容に関する予習で、赤字で示した二点は実験結果に関する予習になります。
私自身もそうでしたが、多くの学生さんが実験結果に関する予習まではしていないと思います。
レポートを書く段階になってから結果に関して考えるため、「考察」にものすごく時間が掛かってしまいます。
実験結果の見方 (正しく評価できますか?)
実験が上手くいったかどうかは何かしらの評価方法で評価します。
以下に例を示します。
- TLC, HPLC, NMR (合成実験関連)
- SDS-PAGE, Western Blotting (生化学実験関連)
行う実験によって評価方法は様々ですが、見方が分からなければ実験結果を正確に評価できません。
何を意味しているのか理解しないと的外れな考察になってしまいます。
- 何を評価するための手法か
- その結果はどう見るのか
図書館にある専門書やネットで検索すれば出てくると思うので、事前に調べて、よく理解してから実験に臨みましょう。
予想される結果 (実験内容理解してますか?)
予想される結果は実際に得られた結果と比較する際の “基準” になります。
実験結果を正確に評価するために基準は欠かせません。
ただ単に結果を予想するだけでなく、
- 何故そうなるのか
- 各操作、試薬にはどんな役割があるのか
をあらかじめ調べておくと、注意点や上手くいくコツがよく分かりますし、予習段階で考察ネタも見つかります!!
それを理解している人としていない人では、実験結果も全然違います。
予想される結果を考えておくと、事前に考察ネタが見つかるので、レポートが非常に楽になります!!
考察の内容には型がある
考察内容は学生さんの自由ですが、基本的に考察には型があるので、それに当てはめればほぼ完成です。
- 予想される結果と異なる場合、その原因
- 具体的な改善策、他の評価方法の提案
- 実験結果から予想されること
実験結果を客観的に評価しましょう。
また、期待通りの結果だった場合に、「理論値と一致したから実験は成功した」と一文で済ますのは考察として望ましくありません。
- 上手くいかない原因を調べる
- それがどんな影響を与えるか
自分 (達) が上手くいかない原因を考慮した上で、工夫したから成功に繋がったのだと述べましょう。
最後に
実験レポートに苦戦して徹夜する学生さんもいると思いますが、しっかり予習すれば比較的楽にレポートは終わります。
やれることをやった上で実験に臨みましょう。
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