卒論、修論提出が迫っている学生さんの悩みの一つが 論文の質 だと思います。
- 当初の研究目的に到底及ばない
- 使える実験データが少ない
- 全然成果が無い
私は卒論、修論を経験しましたが、当時は卒業できるのかめちゃめちゃ不安でした。
ただ、真面目に取り組んできたからこその悩みだと思いますが、論文が低レベルなのは大した問題ではないので安心してください。
むしろ、低レベルなわけがないということを認識してもらいたいと思います。
ここでは、卒論及び修論が低レベルだと感じても全然問題ないことについて紹介します。
目次
結果が最重要項目ではない
結果があるに越したことはないですが、卒論や修論では結果が必須ではありません。
結果を出すために必要な 論理的思考力 と 問題解決力 が求められます。
- 研究のメリットは?
- 新規性、独自性は?
- どういう計画か?
- 評価方法は妥当か?
- 生じた課題をどう考え、取り組んだか
- 今後に向けた具体的な改善策は?
結果に関してはテーマの難易度や運の要素も絡みます。
実際に行った実験全てが論文に載るわけではありません。
学術論文に結果は載っていますが、そこに至るまでの失敗は載せていません。
初学者が 1~3 年で結果を出せというのはかなり厳しく、もし結果が必須なら、私を含め大半の学生が留年です。
失敗も立派な研究成果である
研究はどれだけ試行錯誤しても結果に結びつく保証はありません。
そのため、ダメな方向性を示すことも今後研究を進展させるために重要です。
テーマを引き継ぐ人や似たような実験をする人にとっては貴重なデータになります。
自分にとっては価値が無いと思える実験データも立派な研究成果で、決して低レベルな論文ではありません。
私も卒業研究では当初の研究目的とかけ離れた結果に終わったので、当時は卒論が低レベルだと感じてました。
しかし、後輩達が私の卒論を参考に実験してる姿を見て、案外役に立っていることに気付きました。
[この条件、やり方だとこういう結果になる]という記録はものすごく貴重で低レベルなわけがありありません。
博士論文や論文誌ほど厳しい審査はない
論文誌に投稿する際には複数の専門家による厳しい査読があり、却下されることは珍しくないです。
そして論文投稿が大学の規定数以上済んでいなければ博士論文は受理されません。
修士論文でも学内他研究室の教授陣による副査がありますが、基本的に論文の体裁に関する指摘が多いです。
- 文章の添削
- 追加説明を要求
- 誤字脱字の指摘
- 研究への質問/疑問
そのため、初めて見る人でも読み易い文章、図や表の作成を心掛けましょう。
主査である指導教授が追加実験を要求することはありますが、そもそも論文を書いてる段階で卒業に値すると認められたようなものです。
私の同期はほとんど実験していなかったため、論文に取り掛かる前に教授と面談をし、留年が確定しました。
結果の有無に関わらず、やるべきことをちゃんとやっていれば卒論や修論が不合格になることはありません。
最後に
自分自身に求めているレベルが高く、努力してきたからこその悩みだと思います。
努力もしてこなかった学生は自分の論文のレベルなんか気にしていません。
あまり根詰めず、自分のやってきたことに自信を持って、論文に臨みましょう!!
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